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こんにちは! 研究者せしおです。
今日のキーワードは「遠くへの利他」
まずは読んでいる本の内容から。
(参考元:「利他」とは何か?、伊藤亜紗他、集英社)
人は身近な存在に共感を抱きやすい。
利他する相手を選ぶのに共感をベースにすると、共感されないと助けてもらえない社会になる。
人に好かれないと助けてもらえない社会。
それは窮屈で不自由な社会とも思える。
英語圏では寄付する文化がある。
何に寄付するのかをどう決めればよいか?
共感によって寄付しようとすると、先ほどと同様に自分が認知できている身近な問題しか解決できない。
一方で、より多くの善をもたらすことのできる物事へ効率的に利他をしようとする考え方がある。
効果的利他主義と呼ばれるこの考え方は、英語圏の若年エリート層に多い。
数値的な評価にこだわることで、共感から距離を置き、自分から遠い問題にアプローチできる。
自分にできる最大の善をすべきと考え、徹底的に善の評価と比較を行う。
最大多数の最大幸福を目指す功利主義の考え方に近い。
感情を捨てるとまでは言わないが、理性を元にしたアプローチ。
地球環境など、複雑で共感では解決できていないことを解決するためのアプローチとも言える。
ここからは僕の話。
遠くの人を助けるために、あえて感情ではなく、理性に徹する。
斬新な考え方だと思いました。
本の中では効果的利他主義を、日本人としては違和感のある考え方として紹介されていました。
善を数値化し、幸せになる人が多いところに寄付するという考え方には確かに僕も違和感を持ちます。
コロナ禍になってから、試しに世界的な機関に寄付したことがあります。
でも僕は、嬉しい気分や誇らしい気分にはなれませんでした。
世界中の人が幸せになってほしいとは思いますが、自分がそこに利他的な何かをすることはとても難しいことだと感じました。
僕の場合、共感などの感情が伴わないと、利他的な行動が継続しないのかもしれません。
そこへのアンチテーゼが効果的利他主義なんでしょうね。
とはいえ、そこまで理性に徹することは今の僕にはできない。
数値的に善を評価すること。
それが地球環境へのアプローチの1つになるかもしれない。
僕は脱CO2関係の研究者です。
会社の中でも、Googleさんやビル・ゲイツさんやイーロン・マスクさんが脱CO2関係に多額の資金を投入していることは度々話題になっています。
効果的利他主義的な考え方がその裏にあるのかなーと思いました。
とはいえ今のところの僕は、直接関わる人に優しくありたいとか、日本国に税金を納めるくらいで精一杯です。
ブログやSNSは共感がベースになっていると思っています。
共感などの感情だけでは取りこぼしてしまう幸せがある。
そういう考えも頭の片隅に入れつつ、引き続き楽しく学んでいきたいと思います。
以上です。
また次回!
今日も最高の一日を!