【1035個目】
こんにちは! 研究者せしおです。
ポジティブ心理学入門の記事は、これにて最終回とします。
最終章は何回か読み返しました。
平和を目指すにあたり、重要な概念となってくる「彼ら」と「私たち」。
どの集団を「彼ら」(敵?)として、どの集団を「私たち」(味方?)と捉えるのか。
いかに「彼ら」を作らず、「私たち」を拡大できるのか。
難しい問題ですが、確かに大事なことだと思いました。
この本の最終章には、これまでの心理学は悪について向き合ってこなかったとありました。
おそらく僕もそうなので、ドキッとしました。
資本主義や民主主義は良い点や悪い点があるとか、人間は多様で色々な人がいるとか。
色々あるよねと理解した気になって、そこに正面から向き合おうとしていない気がします。
この本からは、ポジティブを押し付けてくるところに違和感を持っていましたが、その分だけ問題に向き合おうということなのかもしれません。
「彼ら」と「私たち」の話に戻ります。
私たちは、家族であったり、友達であったりします。
会社であったり、日本であったり、人間であったりします。
最近は、動植物を含めた生き物にも広がりつつあります。
生物多様性というやつです。
守るべきものの範囲が広がっていきつつ、時に狭まっている気がします。
↑ 洋書を読んでみたいのですが、まだ1冊も読みきれたことがありません。
「私たち」の概念を広げていくには、やはり余裕や安心が大切な気がします。
余裕や安心が足りてない状況で、みんなを味方に思うことには無理があるように感じます。
あと、人は人からダメージを受けるので、悲しみや憎しみの連鎖をなるべく起こさないことも大切と強く感じます。
人に批判されると、簡単に余裕が吹き飛びます。
製造業には、人を責めずに仕組みを責めるというトヨタの教えみたいなものがあります。
社会システムにはまだまだ至らないところがたくさんあると思います。
ですが、そのシステムを回している人を責めることなく、システム自体はちゃんと批判的にみて改善していくことが大切だと感じています。
悪者を作りだかる人間の性との葛藤もありそうですが。
身近なところではやはり、幸せに生きられる人は幸せに生きることですかね。
幸せの連鎖のようなものを引き起こして、余裕や安心の輪が広がっていけば、とても良いことだと思います。
不幸や不満の連鎖よりは、格段に拡散力は少なそうではありますが、広がったら儲けもんくらいな気楽さで。
以上です。
今日も最高の一日を!
↓参考図書
ポジティブ心理学入門 「よい生き方」を科学的に考える方法
クリストファー・ピーターソン、宇野カオリ訳、春秋社、2012年